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太王四神記 感想文9

太王四神記 絆 2008年 04月 29日


タムドクとキハはやはり運命的な絆がある。

あるのだけれど、関わる人間の複雑な利害に翻弄される間にこの世で その絆を成就することが困難になっていった。タムドクの心の中にはスジニへの想いが宿り、キハはまるでこの世に存在すらしなかったかのよう。

確かにスジニは常にタムドクのそばで一途に尽くしてきたのだし、何しろ健気。タムドクが癒され 心惹かれるようになるのも頷ける。でも、キハが死のうとした刹那 タムドクに起きた異変。キハが産みの苦しみを味わっている最中またタムドクの身に起きた。人間タムドクはその意味をしる由もないのだけれど。

キハはホゲにタムドクの父王が実は自殺したと告げた。それもキハにタムドクがチュシンの王になる妨げにキハがなってしまうという父王の気持ちを思うと濡れ衣なのだけれど、言い出せずにいたと。確かに父王は自害した霊廟で「タムドクの邪魔をしてはならない」とキハに言い残している。

タムドクもキハも一緒に静かに生きていこうと思っていた。でも、父王はタムドクこそがチュシンの王として生まれてきた約束の王子と知るからこそ・・・何人たりともその邪魔をしてはならないと自らの命をも捧げた。
でも、もし タムドクが約束の王子なのなら、例えキハと手に手を取って逃避行しても運命はタムドクをチュシンの王へと押し上げていったのでは?と私は思うんだけれど。

それがキハをカジンの運命から救うことにも繋がるだろうし、キハの命運を握っているのはタムドクという。ここまで絆が描かれるとしたら疑う余地はないように思える。

タムドクの前世 神の子ファヌンは平和を植えるために降臨したにしては火の紅玉をセオに褒美のように取らせ、新たな火種を生んだり何かとお騒がせな神の子で。
カジンはファヌンによって生まれて初めて 人を愛する気持ちを知った。生まれて初めて穏やかな心が芽生えた・・・平和を植える神なら、それくらい見逃さないで欲しかったような気がして。

カジンは確かに巫女であると同時に残酷な戦士だった。でも、それはそんな激しい生き方しか知らなかったからだし、ファヌンのためには巫女の位もパワーも捨てる気持ちになっていた。

もしファヌンにとってカジンが何の魅力もない戦闘女だったら、きっと 生まれ変わってキハとタムドクの立ち難い絆は描かれなかったはずでは・・・?キハはスジニとタムドクの邪魔をする嫌な女として登場したはずでは?

多分だけれど、カジンとファヌンはセオとファヌン以上にドラマでは描ききれなかった何かがあったのかも知れない。それはもしかしたら原作にはない構想?
こんな消化不良の三角関係や四角関係・・・キハを慕うサリャンやスジニ、千年以上前からスジニを慕うチョロなんか登場するものだから訳分からない。誰かがいつも誰かに片思いしている構図で入り組んでる。

最終回を観たという視聴者は「タムドクはキハを愛していたの?スジニを愛していたの?」と思ったと言う。無理ないよ。視聴者の心は非情なキハから一途なスジニに傾いてしまっていたんだから。私はそれも・・・?とは思うけど。

キハって色々言うに言えない辛いものを抱えてて、すべてが誤解から始まっていて、キハはタムドクとの約束を果たせない状況に追い込まれてて、タムドクから別れを言い渡されて、誤解を解きたくてもタムドクの父王の言葉が胸にあって本当のことを言えず。

スジニの数倍も辛い状況でタムドクとの子供を守ろうと必死だったのだもの。キハはタムドクに捨てられたと思いタムドクを恨んだ。でも、心の奥深くではタムドクを愛し続けていた。タムドクもそれは同じ。

そんなキハを視聴者は非情と決めつけたようでだけれど、もし自分が真剣に愛していた人から裏切られ見捨てられたとしたら?恨む気持ちを持ったことないって女(ひと)いるのかしら?


ベスト・カップル賞、ぺ・ヨンジュンとイ・ジアですか?何だか釈然としないものが残ってしまうけれど、それは制作者の意図なもかも。イ・ジアって本当にキラ星の魅力。大抜擢も頷ける。キハ演じたムン・ソリとぺ・ヨンジュンって、並んでも似合いのカップルって感じ薄いかも。

キハが5歳年上という設定としてタムドクとキハに絶ち難い絆があるという設定なら・・・スジニがどんなに魅力的な女優さんが演じても、それに霞んでしまわない女優さんに悲劇のヒロインを演じてもらいたかった?

ムン・ソリは確かに名女優だけど。子役のあの寂しげな表情を受け継ぐ女優さんを抜擢した方がよかったのかも。ムン・ソリが演技力確かな女優さんだけに返す返す残念な気がする私。


話はガラリと変わって。それにしてもイ・フィリップって素敵。今週月曜日のBSHiではチョロに同情しきりの私。スジニもチョロの気持ちを知っていてタムドクへの気持ちを隠そうとはしない。しないどころか恋心を聞いてもらったりして、ちょっとデリカシーなさ気。

あんな目が眩むような美男子を前に信じられない(笑)あり得ないと思う。好みはあるでしょうけど・・・イ・フィリップじゃ素敵過ぎ。胸騒ぎがすると・・・森を馬で駆け抜ける場面に胸キュンの方は多かったはず。

何だかチョロやサリャンの一途さに比べればスジニもキハもちょっと霞んだりして。脚本ありきのドラマなので仕方ないことだけど、本気で悔しがったりして。 エネルギーの浪費なんですけど(笑)。

太王四神記のファンをテサギ廃人というらしい。テサギ・・・太王四神記の韓流読みの略とか。タムドク・・・え?まだ18歳の設定なんですか?! ウソ・・・!

それにしてもキハが父王を手にかけたというのは誤解ということも知らず。
何故キハが非情な女へと変貌していくかも知らず。
キハのおなかの子を介して強い絆で結ばれているとも知らず。
気がつけば、そばに健気なスジニがいて。
そのスジニが去ったとたんにその存在の大きさを知る・・・。

キハが非情になっていく心の背景にはタムドクに捨てられたという思いや 自分はタムドクにとって駒にしか過ぎないという達観があって。すべては誤解から始まっているのに。

誤解さえなければ、タムドクはキハを自分のそばにと思っただろうし、キハの一生をかけてタムドクを守ろうとしていた健気な気持ちを粗末にはしなかったと思う。キハはファチョン会の手先となっていてもタムドクを守ろうと彼女なりに一所懸命だったのに。女として報われて欲しかった。

だってキハはファチョン会の大長老の呪縛下にあって、その恐ろしさに立ち向かおうとしているのだから。タムドクに忠誠を誓うスジニに引けをとらないくらい、やることなすこと結果的にタムドクの役に立っているキハ。

跡継ぎを身籠り、その子を守るために一生懸命父王を守ろうとして濡れ衣を着せられ「一人では行かせません」と剣をタムドクに向けるのだけれど、却ってタムドクがチュシンの王ということが発覚し・・・!本当にやることなすこと何だかまるでタムドクが真の王への道を進む方向へ誘っているかのよう。本人も知らないうちにってところが健気。

今週の展開で私はこう思った。
やはりファヌンとカジンはドラマでは描ききれなかったけれども、神話時代から浅からぬ縁があって。和平の鍵を握っていたのはカジンだったのでは?と。

天の父に大地の母という言葉が出てくるけれど。もしかしたら地上に平和をもたらそうとした天界は火の巫女・・・大地を守護する部族の女性を母に 天界の王子を父にとの意思があったのかも、なんて。

力で力を封じ込めたとしても恨みが更なる恨みを生んでしまう訳で。カジンって女性は余り魅力的には描かれてなかった・・・セオの魅力ばかりが際立っていたけれど。

何だか話はつきそうにもなく。そんな中、2千年という時を越えて終止変わらない愛を貫いているのは青龍の君チョロ。

素敵過ぎです・・・ああ重症だわ。
by maria-letter | 2008-04-29 02:30 | 映画談議ドラマ談議
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