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またまた『私の名前はキムサムスン』 両親の面影が重なって

原本があるのかどうか知らないけれど、カップル成立までの道筋に心憎いシナリオが組み立てられていると感心しきりの私。

何故か…今日日は運命の糸を感じさせるドラマを手にしている。『イルマーレ』もそう。郵便ポストが時空を超えた男女を繋いでるって、どんなきっかけで閃いたんだろ?。人間の想像力ってスゴいなとも思う。

この『私の名前はキムサムスン』は、年月とタイミングと空白の時間が登場人物の関係を大きく揺さぶっている…思い出す限りでも、

・3年前というキーワード

 サムスンは3年前に父親を亡くしている
 ジノン(サムスンと結ばれる相手)は自分の運転中の事故で兄夫婦と男性ひとりを死なせている

 3年前、二人は奇しくも身近な人の『死』を体験しているという設定

 ヒジン(ジノンの初恋の女性)は癌治療のため3年前にジノンに黙って渡米
 そこでハンサムな青年医師ヘンリーと出逢う

・タイミングというキーワード

 ヒジンが帰国したのと時を同じくして、ジノンとサムスンは出逢う

 ジノンがパティシエを必要としている時
 サムスンはたまたまジノンの母親が経営しているホテルに就活
 断られた後、厨房を覗き伺っているところをジノンと遭遇
 ドタバタあって(笑)怒り心頭のサムスンが手作りケーキをジノンに投げつけた(!)
 その味にハッとしたジノンが彼女を自分の経営するレストランに誘う

 偶然同じラウンジで見合いをしていたジノンとサムスン
 サムスンは見合い相手に夢中でジノンに気づかないが
 ジノンは止せばイイのにイタズラ半分
 サムスンとまるで恋仲という芝居をぶってお見合いをぶち壊してしまう
 サムスンは乗り気の相手だったからブチ切れたのは言うまでもない

 その後ジノンはサムスンの後を追い

 ジノンとサムスンの二人が乗ったケーブルカーとヒジンのケーブルカーがすれ違う場面がある
 ジノンたちは上り、ヒジンは下り…これはその後を暗示させる


 ケーブルカーに「プロポーズする」と他の乗客を閉め出して二人だけの状態を作り乗り込んで
 ブチ切れて退職するというサムスンを引き止める企ても
 おまえは予言者か、なジノンさん!
 後々、サムスンの母親に頭を下げて
 結婚の許しを乞いに出向くとは夢にも思わなかったであろうジノンさん!
 いわんこっちゃない。ではある
 年の差で結婚を諦めるなんて嫌だ、とか 母を説得しに行こう、とか何とか
 猿芝居してサムスンの見合いをぶち壊した御曹司ジノンさん!
 ママゴン説得は現実となった やれやれ…フウ

 

 タイミングというキーはまだまだある

 口論となった後ヒジンを追いかけたジノンだが、そこにはヘンリーに慰められるヒジンの姿が…
 それはヘンリーがヒジンに会いたくて韓国を訪問した当日だった

 ヘンリーとヒジンも運命の出逢いだったりする 

 ヒジンが帰国する便・隣り席にサムスンの姉が乗り合わせ(これは出来過ぎの嫌いあり?)
 サムスンの姉は夫の浮気が原因で傷心の帰国

 ジノンがサムスンに見合い見合いとウルサい母親封じにサムスンに契約恋愛を持ちかける
 (理由は絶対!自分が本気になるはずがない、後腐れなかろうという目論みがあって)
 その際「いくらで引き受けるか」と持ちかけられたサムスン
 いったんは無視したサムスンの実家が人手に渡る危機に見回れるという巡り合わせ
 家を守るためジノンに不本意ながら『5000万ウォン』を借りる事態に
 

・・・とまあ何とも出来すぎ、の限りを尽くした筋書きではあるのだけど、事実は小説より奇なりの喩えもあるように偶然の一致や不思議な巡り合わせってあるもの。ここの辺りの心理を上手くついているなあと思ってしまうtakakoさんなのではあった。(笑…フウ…)

しかも、

サムスンにも忘れられない初恋があり、その相手ミン・ヒョヌがジノンの幼なじみと婚約(そのコはサムスンの知り合いでもある。何ともまあ世間は狭いという相関図ではある)。韓国には婚約式という祝宴の席を設ける風習があって、サムスンがパティシエとして雇われたジノンのレストランでその会が催される。

未練がある訳ではないけれど、初恋の記憶を簡単に消せるはずもなく…涙ぐむサムスン。彼の存在を知って自分でも知らぬうちに嫉妬…、自覚もなく何かと突っかかるジノン。自覚がないのはサムスンを異性として見ていないという絶対頭があるせいなのだが…本当に世話が焼けるオトコではある。

しかも、構図としてはいつもジノンがサムスンの後を追っているという図。

・・・なのだけど、サムスンがジノンを振り回していると思い込んでるヒジンさん、サムスンを呼び出しで「ジノンを振り回さないで。もう構わないで下さい」と釘をさす行(くだり)がある。実際はジノンがぁサムスンをぉ振り回してるのよ…だけど、そんなこと思いもよらないヒジンさん。こういう言い方って彼氏の方からサムスンにアプローチするはずがないという頭が片隅にあるのかなぁと。
「おねえさん」と呼んでみたり、「目指す目標を見失ったら、私はどうすれば良いの?」と詰め寄ったり、「好きなものを好きなだけ食べられない苦しさが分かりますか?」とか…そんなことサムスン言われても困るでしょ。ジノンに直接聞くのが怖いのよね。でも、ちょっと失礼かも、呼び出しといて。

でも、「どちらを選ぶかはジノンさんに任せましょう」と言う辺りサムスンさん肝が据わっているわ、流石!年の功。

侮辱されヒドい仕打ちを受け、それでもジノンに惹かれる気持ちを捨てきれずに「心が石になればイイのに」と苦しんだ挙げ句、忘れよう忘れようと努力していた彼女。再会した見合い相手と意気投合しているところを邪魔したのはジノンさんなんだけど…!ムカつくわ。文句ならミジ王ことジノンに言え!だよ、まったく。(註:ミジ王とは傍若無人で金の亡者なドラマの主人公のことなんだとか、ププッ)

フゥ…まあいずれにしろ(笑)、度々ちょっかいを出しては騒動を起こす辺り、かなりミジ王なジノンさん。
しかも!無自覚ながらしっかり嫉妬心を燃やし「他の男の話を熱心に聞いてるのを見るは腹が立つ」だの「僕だけを見ていろ」だのと結構なご立腹ぶり。挙げ句にはサムスンの見合いやいい感じの再会を尽くぶち壊す…救いようがないオトコっぷり。要するにサムスンが気になって気になって仕方がないミジ王ジノンさん。

初恋の相手ヒジンさんと和解してよりを戻したんなら、サムスンを振り回すんじゃない!って、思いません?

要するにサムスンこそがジノンの運命の相手ってことで…、第一タイトルが『私の名前はキムサムスン(英語題はMy lovely Samsun)』なんだし、サムスンとジノンの恋話が軸ってことで。七転八倒する自分が情けないよ…フゥ。上手いなあドラマの仕掛人たち!



それにしても、
赤い糸で結ばれた男女って顔やスタイル・家柄や好みに関係なく出逢い、惹かれ合うようになるというエッセンスがトコトン散りばめられているこのドラマ。以前『冬ソナ』廃人って言葉を見かけたことがあるけど、相当重症だわ、私。と言うのも、亡くなった両親の面影と重なってしまい…思い入れが籠る心情があって、




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余談ながら私の両親も見た目は不釣り合いのカップルだったらしい。父は生前「奥さんをもらうなら美人より愛子のような味のある顔がイイぞ。情があって飽きがこない」と失礼なことを言ったとか言わなかったとか。
ちなみに駆け落ちカップルで父には妻子がおり、その後大波乱があったと聞く。正式の婚姻はないまま連れ添い、父亡き後、母は再婚もせず女手ひとつで私を育て上げた気丈な人だった。私はずいぶん長い間母は私のせいで再婚しなかったと思っていた。母に再婚を勧める人がいたことも知っている。でも、私が結婚する際に母がぽつりと呟いた言葉があって、私は今もそれを忘れずにいる。


「お父さん以上の人はおらんかった」「お父さん以外には考えられんかった」


運命の出逢いってこういうことかと。私はこの言葉を心に刻んでいる。

母が父に惚れてたのは子供の目にも明らかだった。私を寝かしつけて二人でダンスに行ったりしていたようだし(もちろん家には私を看てくれる人がいて)、甲斐甲斐しく父の世話をやく母の姿は今も目に焼きついている。でも、母以上に父は母にゾッコンだったのかも知れないと今は思ったりもする。



霊感の強いある人が言うには「赤い糸は神様が結んでくれる」のだとか。そして、赤い糸で結ばれたカップルが出逢った時、エネルギ−が本当にハート型に融合するとか…!




3年音信不通でも赤い糸という縁であれば、新たな異性が現われて紆余曲折があったとしても結ばれるものだし貫けるものだということを…私は両親に教えられたように思う。
ましてや恋人が自分のせいで大切な人たちを死に至らしめ心身ともに絶望の縁に立たされている時に…愛する人に一番傍にいて欲しい時にヒジンは彼の元を去っている。自分も癌と宣告されて大変だったとは言え、お互いがお互いを一番必要としている時。そういう時だからこそ離れ離れにならざるを得ないとしても本当のことを告白するだろうし、音信不通などせず励まし合う方を選ぶと私は思う。

絆ってそういうふうだし、愛とはそういうふうに働くものだからと両親を見て育った私は思う。この『私の名前はキムサムスン』を作った人はこの辺のことを心の深い部分で理解していて、この物語に込めたのかなとも思う。




容姿は…確かにひとつの要素かも知れないけれど、そういうハードルを越える…きっと生まれる前にそういう約束というのか、計画をして生まれて出逢うカップルもいるのだろうな。

このドラマと、私は両親の面影を重ねてしまう。どうしても、ね。



 
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by maria-letter | 2010-02-12 23:28 | 映画談議ドラマ談議
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